【SV S4ダブル 最終37位】カイリューラッシャ詰ませスタン

【実績】

最終順位:37/最終レート:1955

TN:いのりぽけ♪

【コンセプト】

・耐久振りと襷で行動保証を作る

・数値が高いポケモンを優先して採用する

・最低限のサイクル回せるよう、相性補完に気を払う

→選出択及び行動拓を回避し、立ち回りを安定させるためです。一方的な展開しか取れない構築は長期的な勝率が安定しないため、立ち回り次第で広い範囲を誤魔化せる組み方をしています。

 

【経緯】

 元々は、行動保証、積み、高火力先制技を兼ね備えた、ノーマルテラスの竜舞+神速カイリューに魅力を感じたことから、このポケモンを軸に構築を組み始めました。これはこれで独自の強みはあったのですが、積んだ後のカイリューがハバタクカミや霊テラスで簡単に止まるため、拓を生んでいるのが気になりました。

 一方で、補完として採用していた欠伸+身代わりヘイラッシャの使用感がとても良く、このポケモンの性能の高さに気付けたのは収穫でした。また、使い勝手の悪かったカイリューの竜舞を羽休めに変更することで、ヘイラッシャと合わせて幅広い相手を詰ませられることに気が付き、この2匹を構築の中核とすることにしました。

 残る4匹は構築に必要な要素を拾いながらタイプの補完を重視して組んでいきました。カイリュー+ヘイラッシャでの詰め切りを目指すにあたって、威嚇枠としてウインディ、襷適性を評価してサーフゴーを採用した後、ここまでの4匹でS操作のできるポケモンがいなかったためトリックルームを覚えたサケブシッポを採用しました。最後にこの5匹では神速の通らない霊に対する立ち回りが窮屈だったため、不意打ちを覚えるアラブルタケを採用して構築の完成です。

 

【個体解説】

カイリュー@シルクのスカーフ

198(252)-204(252+)-115(0)-x-121(4)-100(0)

しんそく/ドラゴンクロー/はねやすめ/まもる

特性:マルチスケイル

テラスタイプ:ノーマル

 構築の中核①です。羽休めで詰ませる動きと神速で抜いていく動きを盤面に応じ使い分けることが出来、7世代シングルのメガボーマンダを彷彿させるポケモンでした。

 神速のリーチを伸ばすため、持ち物にはシルクのスカーフを採用しています。ノーマルテラス適性が採用理由の一つであり、このアイテムを持たせることに特に違和感はありませんでした。こう書くとテラス前提の型のようにも聞こえますが、実際はテラス/非テラスどちらの運用もしています。竜飛の耐性が有効な場面は少なくなく、寿司やイダイナキバ系統に対しては非テラスで詰めに行く場面も多かったです。

 

ヘイラッシャ@たべのこし

257(252)-120(0)-135-(0)-x-126(236+)-58(20)

ウェーブタックル/あくび/みがわり/まもる

特性:てんねん

テラスタイプ:じめん

 構築の中核②です。単体としての性能が高いポケモンであり、ピンで採用することに対してとりわけ抵抗はありませんでした。

 天然により自然と能力上昇系のギミックに耐性を持てるポケモンです。具体的には寿司と保険アルマ系統です。今作は過去作と比べ対策必須の強力な組み合わせが多く、かといってそれらに対し専用の対策枠を選出する組み方では構築全体のパワーが落ち選出拓にもなるため、自然と耐性を拾えるポケモンは重要な立ち位置にいると思っています。

 身代わりは地割れと選択かなと思いますが、地割れを打つ場面がよく分からなかったためこちらになりました。盤面を濁しながら自然とアドバンテージを取れるほか、ヘイラッシャミラーやキョジオーン、バレル辺りに優位に立てます。自分の立ち回りの好みとしても、こちらの方が合っていました。

 テツノカイナを意識した地面テラスでの採用ですが、そこまでしなくともテツノカイナには勝てることがわかったため、テラスタイプは変更の余地があります。鋼への耐性を残したまま水の弱点を消せる電気テラスに強い興味があります。

 

ウインディ@バンジのみ

197(252)-178(252+)-100(0)-x-101(4)-115(0)

フレアドライブ/しんそく/とおぼえ/まもる

特性:いかく

テラス:ノーマル

 威嚇枠としての採用ですが、そもそも今作に威嚇枠という枠が必要なのかという疑問はあります。とはいえ無難に性能は高く、採用しておけば大きな間違いはないので、個人的には7世代シングルのミミッキュ枠です。

 鬼火持ちの個体が多いポケモンですが、外しや炎テラス等の裏目が多く、リスクに対するリターンが見合ってないと思い採用を見送りました。鬼火を打つなら素早さが欲しいけれども、素早さのために火力や耐久を削りたくないというのも理由の一つです。

 遠吠えはサイクル過程の任意のタイミングで攻めに移行するために使う技です。カイリューの神速やヘイラッシャの欠伸の圧力もあり、積めるタイミングは意外と多いです。採用率の低い技であり、相手視点からは見えない勝ち筋を作ることができます。

 

サーフゴー@きあいのタスキ

163(4)-x-115(0)-203(252+)-111(0)-136(252)

ゴールドラッシュ/シャドーボール/わるだくみ/まもる

特性:おうごんのからだ

テラスタイプ:はがね

 カイリューラッシャで詰ませる流れを作るために、序盤の立ち回りを楽にするポケモンを入れたいです。この枠は襷枠が適当だろうと思い、襷適性からサーフゴーを採用しました。具体的にはノーマル耐性と一致テラス適性、高火力全体技の存在などを評価しています。

 対策必須の並びが多いという話と紐付けて、選出択の緩和になる気合いの襷の重要度が高いルールです。一方で、全体技に巻き込まれやすいアイテムでもあり、環境に対する依存度が高く扱いの難しさを感じています。匿名性の高い襷ポケモンは初見の相手に強い一方で、バレたら終わりの欠点を抱えており、長期的に見て強いポケモンかと言われると疑問が残ります。襷枠抜きに強い構築が組めるのであれば、その方が完成度は上がるのかなと思いました(自分には無理でした……)。

 

サケブシッポ@オボンのみ

214(188)-x-119(0)-128(252+)-135(0)-140(68)

サイコキネシス/マジカルシャイン/ほろびのうた/トリックルーム

特性:こだいかっせい

テラスタイプ:ノーマル

 トリックルームという技が好きだったことから、トリックルームを覚えるポケモンの中で、安定した耐久を持つサケブシッポを採用しました。攻めるために押す技というよりかは、立ち回りの中で柔軟に押していく使い方をします。

 相手にかける負担を大きくするためにC補正での採用です。見えないアンコ金縛りの圧力からか、C振りはよく刺さった印象でした。使用感としてはHCクレセリアに近く、火力の高さに助けられる場面はかなり多かったです。

 滅びの歌は詰めの場面で使うほか、独特の流し性能を見込んで打つ場面があります。悪巧みサーフゴーと組み合わせて使うことが多く、独自の勝ち筋を作れる面白い技でした。

 

アラブルタケ@とつげきチョッキ

218(252)-196(252+)-119(0)-x-120(4)-75(0)

タネばくだん/かみくだく/ふいうち/インファイト

特性:こだいかっせい

テラスタイプ:ほのお

 構築全体が低速気味で、先制技を軸に戦うため、神速の通らない霊への立ち回りが不安定でした。そこで、霊に通る先制技持ちの中から、不意打ちを強く使えるアラブルタケを採用しました。

 元々はグレンアルマを意識した噛み砕く/不意打ち/胞子/守る@オッカという構成でしたが、技範囲が狭く選出しにくい、草テラスやゴーグルのケアが難しいなどの不満点があり、攻撃範囲を広げた突撃チョッキでの採用に踏み切りました。特定の並びをメタるためだけに汎用性を落とした型を使うべきではないということもあり、こういった型の方が扱いやすかったです。

 変更余地があるとすればインファイトの枠でしょうか。ドドゲザンが重いため採用した技ですが、行動択になるため安定しません。ドドゲザンは立ち回りでなんとかするとして、クリアスモッグか花粉団子を採用した方が構築としては綺麗かもしれません。

 

【まとめ】

 よく分からない構築だと思います。こちらから行動を押し付けることはほぼなく、相手の行動を見ながら緩やかにアドバンテージを確保していくような動きしか取れません。相手が想定するであろう型からは少しずつズレていることもあり、安定行動をしているうちに自然と有利になるように組んでいるつもりです。自分としてはかなり好きな構築に仕上がったのですが、分かりやすく強い構築かと言われると微妙だと思います。

 特定の並びに依存することがない(各ポケモンシナジーがないわけではありませんが)、グッドスタッフ気味の組み方であり、考え方としては厨パやchalkfに近いのかなと思います。コノヨザルが少々重いですが、構築単位で無理な相手はおらず、立ち回り次第で誰にでも勝てるため使っていてとても楽しい構築でした。

 レギュCに人が流れていたこともあり、過疎ルールではあったものの、そこそこ良い順位を取れたのは素直に嬉しいなと思います。こんな構築でもこれくらいの順位は取れるんだなくらいに思ってくれれば幸いです。