【実績】
最高レート:2001/最終レート:1977
最終順位:36位
TN:いるか
構築は前期と同一ですが、自身の思考の整理をかねて、より詳細な解説として書き起こしています。
前回記事↓
https://inori-poke.hatenablog.com/entry/2024/08/01/235533
【個体解説】
・テラパゴス
選出対象:全構築
レギュレーションG の特徴として、6匹の選出がある程度均一になるレギュレーションA〜Fと違い、伝説枠がほぼ絶対選出となることが挙げられます。この際、特定の一般枠に大きく不利を取る伝説を採用すると、伝説+一般枠の対策枠まで選出が確定となり、更に相手の伝説や他の取り巻きへの対応まで考えると選出が破綻しやすくなります。これを回避するため、特定の一般枠に選出が歪まず、最もタイプ相性に依存せず広い範囲と戦えるテラパゴスを伝説枠に選択しました。
一貫性の非常に高いテラクラスターはあらゆるテラス択を無視できる一方で、火力自体は控えめであり、一撃で相手を倒し切る能力は相当に低いです。火力不足を補う瞑想やメテオビーム、眼鏡等の型が広く使われているポケモンではありますが、本構築では身代わりを採用し、身代わりと相性の良い電磁波や猫を構築全体に取り入れることで行動回数を担保し、ダメージレースで不利を取らない組み方をしています。
毒々はクラスターの通りにくい高耐久やチョッキ持ち、壁・バクア等の妨害に対して強い技です。毒と身代わりのどちらもが猫と相性が良く、身代わりを盾にクラスターを押し付けるか、毒による定数ダメージの蓄積を狙うかのプランを自在に切り分けることができます。この際に同一の選出で全く別の立ち回りを選べるというのが非常に偉く、4匹という限られた選出枠の中で全対応を目指すに渡り、綺麗に構築を纏めることが出来た思っています。
・ハバタクカミ
絶対選出:コライドン、ザシアン、ザマゼンタ
優先選出:黒馬
9世代全体の特徴として、状態異常が強い環境だと感じています。テラス択を無視して突き刺さる、マントやチャームの妨害に引っかからないと、9世代特有の噛み合いの拒否する手段として好んで使用しています。
電磁波が無いと勝てない相手には絶対に選出します。永続的なS操作と上振れ狙いの二つの側面があり、立ち回りの中で1〜2回程度痺れを引ければそれだけで相当有利になります。構築全体で生存能力が高いポケモンを優先して採用しているため、見た目以上に上振れを引きやすく、無理寄りの並びに対して最低限の勝率を担保する意味でも重要な技でした。
採用理由の電磁波と汎用打点のムンフォまでは確定で、残りの技枠について考えます。存在が脅威である伝説に対しては電磁波から入り、特殊相手には数値で行動が担保されているため、この時点で対面するリスクの高い相手は物理の一般枠です。
このルールの一般枠のアタッカーは行動を担保するアイテム(襷、チョッキ、隠密マント)か行動の価値を高めるアイテム(珠、ブエナ等火力アイテム)持つ傾向にあります。一方で、クリアチャームというアイテムは攻撃時のリターンの最低値を保証するアイテムであり、一般枠の攻撃ではリターンが取り切れないため、基本的に優先して採用されるアイテムではないはずです。よってこれらの仮想敵に対しては甘えるが突き刺さる想定で、痛み分けとセットで採用してみました。甘えるの流し性能は電磁波と痛み分けの被弾位置を引き釣り出す意味合いでも優秀であり、また、テラパゴスの身代わりとも相性が良く、使用感としては非常に良好でした。
絶対選出:黒馬、白馬、ザシアン、PFルナアーラ
優先選出:コライドン、ザマゼンタ
猫騙しという技は単体で機能する技ではないため、相性の良い要素を構築内に散りばめました。身代わり、毒、不可視の拳と合わせて、安易な両守るを咎めながら、怯みを強く使えるようにしています。
猫・威嚇・対面操作の要素を一枠に圧縮しているポケモンであり、どれかが通らない相手には別の何かが通ります。威嚇でチャームの判定できた相手はマントのケアを外せるため猫が確定で通るといった具合に、立ち回りの中で型判別をしながら任意の勝ち筋を通していくイメージです。
ゴツゴツメットは対ウーラオスに便利なアイテムで、ガエンに触れた水ウーラオスをスケイルショットorテラクラスターで処理することが出来るようになります。このアイテムにより立ち回りや選出面で非常に融通が効くようになり、とても重宝しました。ウーラオス以外にも発動の機会はそこそこあり、特に白馬の馬力に対して削りを入れられるのが助かる場面が多かったです。
技選択について。下手に足を止めて殴りに参加すると、盤面に弱い状態で残されたガエンを起点に構築ごと崩されかねないため、基本的には捨て台詞を優先して押していきます。このような立ち回りを取る際に、理想的なサイクル下では攻撃技を押すのが最終盤になることが予期されることから、序盤の型判別や後続の負担軽減に便利な叩きよりも威力を優先し、攻撃技にはフレドラを採用しています。
とはいえ全ての試合で理想的なサイクルが出来るほど簡単な話でもなく、盤面によってはサイクルの中途で足を止めながら対面撃ち合いに参加せざるを得ない場合もあります。この時にガエンを捨てながら撃てる技として、最後の一枠には手助けを採用しました。ガエンが殴られている状況そのものが強いので手助けを他の技に変える択もありますが、他に欲しい技も思いつかなかったのでそのままにしています。
・ゴリランダー
絶対選出:ミライドン
ガオガエンと同じく猫と対面操作を持つクッションですが、こちらは主にフィールドの上書きが必要な時に選出します。
ミライドンのハドロンエンジン、PF構築のワイドフォースをフリーで振り回されないよう、基本的には着地と蜻蛉を繰り返す使い方をしていきます。この際にゴリラを繰り出せる回数の上限を増やすため、持ち物はチョッキで固定です。また、この立ち回りの中で足を止めてグラススライダーを打つ場面が想定できなかったため、思い切ってグラススライダーを不採用としてみました。そうまでして技スペを開けたかったのは、対ミライドン構築の最終盤面でミライドンとゴリランダーの打ち合いが発生することが想定されたためであり、10万馬力を採用することでこれを制することが出来るようになります。他にもタケルライコやイーユイ、サーフゴー等への打点として役に立つ場面がありました。
GFはフィールドの上書きの他にも、テラスパゴスの回復速度を加速できるのが便利で、特に毒殺の展開を狙う時に重宝しました。一方で、クラスターでの押し切りを狙う際に定数回復が邪魔となる場面では、ゼロフォーミングにより自身の撒いたGFを消すことが出来ることを覚えておくと便利な場面がありました。
・水ウーラオス
絶対選出:白馬、ザシアン、ザマゼンタ
優先選出:適宜
伝説1匹を介護する組み方は有利不利が構築相性に左右されることからマッチング依存になりやすく、また、立ち回りへの負担が大きいです。これを回避するために構築内である程度均一に役割を分散させたく、一般枠にも攻撃性能を求めたいです。
ハバカミガエンゴリラも攻撃参加が可能な一般枠ではありますが、それぞれサポートやクッションに寄ったポケモンであるため、より対面に寄せたポケモンとしてウーラオスを採用しました。汎用的に選出に組み込むためには行動保証があることと守るを採用出来ることが望ましく、よって持ち物は襷です。耐久振り雫なども面白そうではありますが、その場合は選出や立ち回りがまた変わってきそうです。
絶対選出:グラードン
優先選出:ミライドン、コライドン、白馬、カイオーガ
対面駒②です。襷をウーラオスに取られているため、アイテムに頼らずに行動が担保されているポケモンとして、マルチスケイルを持つカイリューを採用しました。ノーマルテラスを前提に出来る構築ではなく、また、守るを採用出来る型したかったことから、ダイススケショでの採用です。
竜の耐性が偉く、水草炎の耐性を包含しているため、ガエンゴリラウーラのどこと入れ替えて選出しても耐性の補完が維持できるのがグッド。御三家タイプでは処理がモタつく竜に対してスケイルショットで致命傷を与えられるのも嬉しいポイントです。
無振りでは耐久が足りておらず、Sに振り切ってもスケショ一回で抜ける範囲が限られているため、ASから数値を削って耐久に回しています。耐性や耐久値で行動回数を担保しているポケモンであり、対面撃ち合いに寄り切っているウーラオスと比べて、ある程度柔軟にサイクルへの挟み込みや生存の引き伸ばしを行えます。この要素は毒の定数稼ぎやS操作の遅延を狙う際に有用で、直線的な展開のみで勝ち切るのが難しいと判断した時はウーラオスより優先して選出しています。